交通事故で夫が死亡、受取金額が大きくて税金が不安です

このコラムでわかること

  • 交通事故により死去し、慰謝料や保険、退職金等の受け取りと相続が一気に起きた時の考え方

このコラムをおすすめしたい人

  • 突然相続が発生して不安な方

交通事故と税金

【質問】

夫が交通事故で亡くなりました。(死亡事故)

  • 加害者から被害者の遺族である私(妻)と息子(一人)に対し、死亡慰謝料が3,000万円支払われました。
  • 夫の勤め先から800万円の退職金を受け取りました。相続人へとのことで息子と折半して400万円ずつに分けました。
  • 夫自身が加入していた生命保険が2,000万円あって私(妻)が受け取りました。
  • 夫と私(妻)の共有名義の自宅(戸建ての土地建物)があります(持分は夫70%、私30%)。夫と私にそれぞれ住宅ローンがあり、夫の住宅ローン残債1,300万円については、団体信用保険から保険金が下りるとのことで支払いが免除されました。

かなりの金額を受け取ることになりましたが、税金が心配です。どれぐらいかかりますか?

回答

不幸にして、突然の事故でご家族を失った場合に、いろいろな手続きが立て続けに起こり様々な支払いがなされます。
いろいろなところからお金が支払われて、税金はどうなるのかとご不安なことでしょう。

一つずつ、順番にご回答いたします。

  • 相続税の対象になりません。 (所得税の対象※ただし非課税)
    事故の加害者からの死亡慰謝料3,000万円について
    受取人 妻  1,500万円
    受取人 息子 1,500万円
    こちらについては、夫が死亡したことにより支払われますが相続税の対象ではなく遺族(妻と子)の所得になります。
    ただ、「慰謝料とは遺族が負った精神的苦痛に対して支払われるもの」なので非課税となり、結果どの税金もかかりません。
  • 相続税の対象になります。 ※非課税の枠あり
    夫の勤め先から受け取った退職金は相続税の対象となります。
    ただ、退職金には非課税枠があり相続人1人につき500万円の非課税が受けられます。
    今回の場合、退職金は800万円で非課税枠(500万円×2人=1,000万円)の範囲内なので相続税がかかる金額はありません。
  • 相続税の対象になります。 ※非課税の枠あり
    夫が加入していた生命保険契約の保険金は相続税の対象となります。
    ただ、②と同様に生命保険金にも非課税枠があり相続人1人につき500万円の非課税が受けられます。
    今回の場合、生命保険金2,000万円△(非課税枠500万円×2人=1,000万円)=1,000万円について相続税がかかります。
  • 相続税の対象になるのは土地建物の持分70%。
    夫の住宅ローンの残債1,300万円については保険金1,300万円を受け取りローンを返済するので、夫の債務1,300万円△保険金1,300万円=0円。※相続税の計算で債務は考慮されません。

今回の場合をまとめると、

所得税

①慰謝料・・・非課税

相続税

②退職金・・・全額非課税
③生命保険金・・・1,000万円が相続税の対象
④自宅の土地建物の70%が相続税の対象、ローンは消えるので考慮しない

となります。
相続税の申告については「③+④+その他の夫の遺産」の計算をして、相続税の基礎控除を超えていれば相続税の申告が必要になります。

お問合せ

相続、生前対策、相続税還付のご相談はお気軽に

※ 弊社は無理に営業することはございません。
※ 事前に相談なく、事例コラムなどに掲載することはございません。
※ お客様の許可なく、メールマガジンなどを送ることはございません。