離婚での財産分与、多くもらったら贈与税?

このコラムでわかること

  • 離婚の際の財産分与と贈与税の考え方

このコラムをおすすめしたい人

  • 財産分与するときに半分ではない分け方をしたけど、贈与税がかかるのか不安な方

離婚による財産分与と贈与税

質問

結婚してすぐ(25年前)にマンション(購入時5,000万円)を夫名義で購入し、そこに私たち夫婦と子供の3人で住んでいました。

このたび、子供の独立を機に離婚することになりました。
預金などは全部半分にしてそれぞれがもらうことになりましたが、不動産は離婚後の私の生活を考えて全部私がもらいそのままそこに住むことになりました。
マンションの評価額は2,200万円です。半分(1,100万円)は私の分ですが、残りの半分(1,100万円)については私が多くもらっていることになります。

この場合、多くもらった1,100万円に贈与税はかかりますか?

回答

特に理由もなく多くもらった場合には、その分が夫からの贈与となり贈与税の対象となります。
かからない場合とは、慰謝料の一部としてもらうとか、不動産を多くもらう代わりに預金はもらわず全体では折半になっている場合などです。

今回の場合は、ほかの財産は折半で不動産のみ全部私のものになっていますので『私』には贈与税がかかります。

そこで不動産登記をする時期が大事になります。

居住用不動産を婚姻期間が20年以上の配偶者から贈与された場合、贈与税の配偶者控除の対象となりもらった不動産の価額のうち2,000万円までは非課税となります。

この特例を受けるためには、夫婦でいるうちにマンションの名義を変えなくてはいけません。

(離婚前に名義変更)

夫から妻への贈与

贈与税 2,200万円△2,000万円△110万円(基礎控除)=90万円

90万円×10%=9万円

(離婚後に名義変更)

元夫(他人)から元妻(他人)への贈与

贈与税 1,100万円(多くもらった分)△110万円=990万円

990万円×40%△125万円=271万円

これは財産分与にかかる税金の一例ですが、状況によりまたかかる税金がかわります。

離婚前に一度税理士へご相談されることをおすすめいたします。

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