【3分で分かる】相続の期限一覧とペナルティまとめ

相続手続きには期限があります。
期限までに終わらせないと受け付けてもらえなかったり、延滞税の発生、税金の軽減税率の利用ができないなどのデメリットがあります。

相続が発生されている方は、身も心も疲れて切ってしまっているタイミングかと存じますが、あともう一息頑張りましょう。私達専門家も応援します。

相続の期限一覧

期限のある重要な手続きについて、その期限もまとめて一覧表にしました。
どんな手続きをいつまでにやる必要があるのか、まずはざっくりと把握しましょう。

届出・手続きの内容 届出・手続き先 届出・手続きの期限
「死亡届」・「火葬(埋葬)許可申請書」の提出 市区町村役場 7日以内
「世帯主変更届」の提出 新世帯主の住宅地の市区町村役場 14日以内
国民健康保険証・介護保険の保険証の返却 住所地の市区町村役場
相続放棄・限定承認の申立て 家庭裁判所 3ヶ月以内
準確定申告 税務署 4ヶ月以内
相続税の申告・納付 税務署 10ヶ月以内
遺留分侵害額請求 相手方の相続人等 1年以内
共済組合や保険等に加入していた場合の死亡一時金の手続き 各共済組合や市区町村役場等 2年以内
相続税の更正の請求(還付) 税務署 相続税申告期限から5年以内

上記の手続きに付随して、やる必要があることのリストも作成しました。
これらは「相続税の申告」までに必要な情報や書類です。

  • 相続人の調査と確定
  • 遺言書の有無の確認
    • 遺言書がある場合→遺言書の検認・開封
    • 遺言書がない場合→遺産分割協議の実施・遺産分割協議書の作成
  • 相続財産の調査と確定
  • 相続税額の計算

つづいて、これまで紹介したものを時系列順に並べました。全体の流れをご確認下さい。

7日以内

死亡届の提出

14日以内

戸籍・年金関係の手続き

3ヶ月以内

・相続放棄 ・限定承認

・相続人の調査、確定 ・遺言書の有無を確認
・相続財産の調査、確定

4ヶ月以内

準確定申告

このあたりで行っておくのがオススメ

・遺産分割協議の手続き

・不動産変更登記の申請

10ヶ月以内

相続税の申告

1年以内

遺留分侵害額(減殺)の請求

2年以内

葬祭費・埋葬費、高額医療費の請求

3年以内

相続税の軽減措置の適用
死亡保険金の請求

5年以内

遺族年金の申請

5年10ヶ月

相続税の還付請求

前提:起点は相続の開始があったことを知った日

大事な大前提。
期限があるということは起点もあります。
起点は法律的に言うと「相続の開始があったことを知った日」です。
一般的には、被相続人がお亡くなりになった日のことを指します。

7日以内 死亡届・死体火葬許可申請書の提出

死亡届は7日以内に、死亡地、本籍地、住所地のいずれかの市区町村の戸籍・住民登録窓口に提出します。
それと同時に死体火葬許可申請書を提出して、死体火葬許可証を受け取ります。
これがないと火葬ができないので忘れずに行いましょう。

14日以内 戸籍・年金関係の手続き

年金受給の停止手続き(被相続人が年金を受給していた場合のみ)厚生年金は10日以内。国民年金は14日以内に行いましょう。

介護保険資格喪失届(被相続人が介護保険を受けていた場合のみ)14日以内に介護保険資格喪失届を市区町村の福祉課に提出しましょう。

3ヶ月以内 相続放棄・限定承認

相続放棄とは・・・相続人(亡くなった方の親族)が被相続人(故人)の財産や債権の相続する権利を放棄することです。被相続人が借金を残してお亡くなりになった場合、相続放棄をするケースが多いです。

相続放棄するには相続の開始があったことを知った日から3ヶ月以内です。なお、1日でも期限を過ぎてしまうと、相続人としての責任が生じます。

限定承認とは・・・被相続人(故人)のプラスの財産の範囲内で、マイナスの財産(借金など)を相続することです。相続を始めたばかりでは財産や借金がどれほどあるか分からない場合の選択肢です。便利な制度にも見えますが、実際の手続きはかなり複雑で、手続きが数ヶ月以上かかることが通常です。

限定承認は、相続の開始があったことを知った日から3ヶ月以内です。なお、1日でも期限を過ぎてしまうと、相続人としての責任が生じます。

4ヶ月以内 準確定申告

準確定申告とは・・・被相続人(故人)が生前に得ていた収入について、相続人が代わりに確定申告を行うことです。年金収入が400万円以下、その他の所得が20万円以下の場合は必要ありません。被相続人がサラリーマンなどの給与所得のみの場合は、会社が年末調整をしてくれるので、準確定申告は不要です。

遅れてしまった場合は延滞税がかかります。2ヶ月までは年2.7%、それ以降は年9%の延滞税です。

この時期に行うこと 遺産分割協議、不動産の相続登記

遺産分割協議とは・・・被相続人(故人)の遺言書がない場合は、相続人同士が遺産の分配を話し合うことです。
話し合った結果を遺産分割協議書にします。遺産分割協議書は不動産の相続登記や金融機関の預金を引き出したりするのに必要です。
期限は決まっていませんが、遺産分割協議書ができないと相続税申告もできないし、故人の預貯金もおろせません。

不動産の相続登記・・・遺産に不動産が含まれる場合は不動産の相続登記が必要です。期限は決まっていません。不動産の数や相続人数によっては不動産を売却して遺産分割することもありますが、相続登記をしないと売却もできないのでご注意を。
なお、2024年以降は不動産の相続登記は3年以内に行うように義務化されます。(過ぎた場合は10万円以下の過料を課されます)

10ヶ月以内 相続税申告

相続税申告とは・・・基礎控除額以上の遺産を相続する相続人が行う手続きのことです。小規模宅地等の特例を使って納付額が0円でも申告しないといけないケースもあります。

遅れてしまった場合は、2ヶ月までは年2.7%、それ以降は年9%の延滞税です。

1年以内 遺留分侵害額(減殺)請求

遺留分侵害額(減殺)請求とは・・・遺言書で遺留分を下回っている場合は遺留分までの金額を請求出来る制度です。

遺留分を侵害額(減殺)請求の期限は「相続開始」または「減殺すべき贈与または遺贈があったこと」を知ったときから1年以内に行使しなければ、時効となって請求できなくなります。

2年以内 葬祭費・埋葬費・高額医療費の請求

被相続人が健康保険、国民健康保険に加入していたときは、葬祭費・埋葬費の給付制度があります。(数万~数十万程度)
詳しくは被相続人が加入していた保険窓口にお願いします。

3年以内 死亡保険金の請求

死亡保険金の請求とは・・・生命保険で死亡保険をかけていた場合、3年以内に受け取りましょう。万が一、過ぎてしまっても受け取れることもあります。

3年10ヶ月以内 相続税の軽減措置適用期限

相続税の軽減措置とは・・・遺産分割協議で揉めて10ヶ月で遺産分割できなかった場合でも、申告期限から3年以内なら相続税の軽減措置を受ける事ができます。超えてしまうと配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例が使えなくなって、相続税が高くなります。

遺産分割で揉めてしまった場合は、一旦相続人が法定相続分で相続した形で申告を10ヶ月以内に行い、3年10ヶ月までに遺産分割協議を終わらせて更正の請求(還付のある修正申告のこと)を行うと相続税を引き下げて、多く税金を払っていた場合は還付を受けることができます。

5年10ヶ月以内 相続税の還付

相続税の納付後、相続税の誤りを発見した場合、相続税申告をやり直して、相続税の還付(更正の請求)を行う事ができます。

まとめ

相続に関する届け出、請求、申告などは厳密に期限が決まっており1日でも過ぎたら適用できないもの(今回掲載したもの)がある一方で、NHKの解約などは遅くなっても遡って行えるものもあります。

これらを一人で全部行おうとすると、手続きを行う役所の窓口も多く、面倒なことが多いのが現実です。
特に働きながら相続を行おうとするといっぱいお仕事をお休みする必要があります。
そういうときは一部面倒な部分は専門家に依頼してしまうこともご検討下さい。

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