委託費は保育所運営という目的以外には使用できないのが大原則
委託費は人件費、事業費、管理費で構成される
自治体などで定める単独補助金等の使途は委託費の範囲に含まれない
(経理等通知に準ずると記載があったら委託費と同じ取り扱い)
当期末支払資金残高は、当年度委託費収入の30%以下の保有とすること
(違反している場合には所轄庁が指導を行い、1年間の猶予を与え改善されない場合処遇改善等加算1の基礎部分の加算停止を受ける
弾力運用を可能とする3つの段階 | 当年度に収受された委託費(その年度に入ってくる資金) | 前期末支払資金残高(前年度から繰り越された資金 | 積立資産(将来の支出に備えた資金) | |
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第一段階 | ①児童福祉法第45条1項の基準が遵守されていること | 1(1)に定められた人件費、管理費、事業費を、その区分を超えて相互に流用できる |
1、前期末支払資金残高の取り崩しについては、事前に貴職に協議を求め、審査の上適当と認められる場合は、使用を認めて差し支えないこと。 なお、前期末支払資金残高については、自然災害その他止むを得ない事由によりその取崩しを必要とする場合 又は取り崩す額の合計額がその年度の取崩しを必要とする施設に係る拠点区分の 事業活動収入計(予算額)の3%以下である事前の協議を省力して差し支えない事。 |
長期的に安定した施設経営を確保するため、以下の積立資産に積立て、次年度以降の当該保育所の経費に充てることができること。(保育所繰越積立資産) ①人件費積立資産(人件費の類に属する経費にかかる積立資産) ②修繕積立資産(建物及び建物付属設備又は機械器具等備品の修繕にかかる積立資産) ③備品等購入積立資産(業務省力化機器をはじめ施設運営・経営上効果のある物品を購入するための積立資産) なお、各種積立資産をそれぞれの積立目的以外に使用する場合は、事前に貴職に協議を求め、 審査の上適当と認められる場合は、使用を認めて差し支えないこと。 また、金融商品以外の資産で積立金に対応する資産は持てない 限度額について定めは無いが運営に支障がない程度 |
②委託費に係る交付基準及びそれに関する通知等に示す職員の配置等の事項が遵守されていること | ||||
③給与に関する規定が整備され、その規定により適正な給与水準が維持されている等人件費の運用が適正に行われていること | ||||
④給食について必要な栄養量が確保され、嗜好を生かした調理がなされているとともに、日常生活について必要な諸経費が適正に確保されていること | ||||
⑤入所児童に係る保育が保育所保育指針(平成20年3月28日厚生労働省告示第141号)を踏まえているとともに処遇上必要な整備が整備されていることなど、児童の処遇が適切であること | ||||
⑥運営・経営の責任者である理事長等の役員、施設長及び職員が国等の行う研修会に積極的に参加するなど役職員の資質の向上に努めていることなど | ||||
⑦その他保育所運営以外の事業を含む当該保育所の設置者の運営について、問題となる事由がないこと | ||||
※上記①~⑦は当然遵守されているものであるので、条件が満たされなくなるのは本末転倒であり、あってはならない。そのため全ての保育所では満たしている | ||||
第二段階 |
第一段階に加えて、別表1に掲げる以下の事業等のいずれかを実施する保育所 1、園長保育事業及び同様の事業 2、一時預かり事業及び一時保育促進事業 3、乳児を3人以上受け入れている等低年齢児童の積極的な受け入れ 4、地域子育て支援拠点事業又は同様の事業 5、特別児童扶養手当の支給対象障害児の受け入れ 6、家庭支援促進保育事業又は同様の事業 7、休日保育加算の対象施設 8、病児保育事業又は同様の事業 |
処遇改善等加算の基礎分(以下、改善基礎分という)として加算された額に相当する額の範囲内で、同一の設置者が設置する保育所等に係る別表2に掲げる経費等に充てることが出来る ※『処遇改善加算の基礎分』は【処遇改善等加算Ⅰの基礎分】を示します。 ・弾力運用が可能であるのは改善基礎分の範囲内 ・同一の設置者が設置する別の保育所も対象であること ・対象経費は別表2の範囲であること |
1、前期末支払資金残高の取り崩しについては、事前に貴職に協議を求め、審査の上適当と認められる場合は、使用を認めて差し支えないこと。 なお、前期末支払資金残高については、自然災害その他止むを得ない事由によりその取崩しを必要とする場合 又は取り崩す額の合計額がその年度の取崩しを必要とする施設に係る拠点区分の事業活動収入計(予算額)の3%以下である事前の協議を省力して差し支えない事。 |
【保育所施設・設備整備積立資産】 当該事業を実施する会計年度において、処遇改善等加算の基礎分(以下「改善基礎分」という。)として加算された額に相当する額の範囲内で、 同一の設置者が設置する保育所等(保育所及び保育所以外の子ども・子育て支援法に規定する特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業をいう。 以下同じ。)に係る別表2に掲げる経費等に充てることができること。 別表2 1 保育所等の建物、設備の整備・修繕、環境の改善等に要する経費(保育所等を経営する事業に必要なものに限る。 以下2及び3において同じ。) 2 保育所等の土地又は建物の賃借料 3 以上の経費に係る借入金(利息分を含む。)の償還又は積立のための支出 4 保育所等を経営する事業に係る租税公課 また、別表2の3の保育所等の施設・設備のための積立支出については、保育所の拠点区分(当該拠点区分においてサービス区分を設定している場合には、「積立金・積立資産明細書」の摘要欄にサービス区分名を記載すること)に「保育所施設・設備整備積立資産積立支出」の科目を設けて行い、貸借対照表の固定資産の部に「保育所施設・設備整備積立資産」を、純資産の部に「保育所施設・設備整備積立資産金」をそれぞれ設けて行うものとすること。 また、この保育所施設・設備整備積立資産を同一の設置者が設置する他の保育所等 の設備・整備に充てようとする場合は、事前に貴職に協議を求め、審査の上、適当と認められる場合には使用を認めて差し支えないこと。 |
別表2(主に施設整備関係の支出が中心となっている) | ||||
1、保育所等の建物、設備の整備・修繕、環境の改善等に要する経費(保育所等を経営する事業に必要なものに限る。以下2及び3において同じ) | ||||
2、保育所等の土地又は建物の賃借料 | ||||
3、以上の経費に係る借入金(利息部分を含む)の償還又は積み立ての為の支出 | ||||
4、保育所等を経営する事業に係る租税公課 | ||||
1は保育所等の建物及び建物付属設備の整備、修繕並びに模様替え、入所者処遇上必要な屋外遊具、 屋外照明、花壇、門扉等のセリ日などの環境の改善を指す(土地取得費及び保育所以外のことは含まない) 2は敷金・礼金・更新料も含まれる。また、保護者送迎用の駐車場は全員が利用するものでないから実費を徴収するのが原則であるが、 交通事情や近隣住民などから設置を求められた場合には含まれるものとする |
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第三段階 | 下記①~③の要件に該当 |
当年度の委託費収入のうち処遇改善等加算Ⅰの基礎分の額を上限として以下の経費に充てることが出来る ・同一の設置者が運営する子育て支援事業に係る別表3に掲げる経費及び ・同一の設置者が運営する社会福祉施設等に係る別表4に掲げる経費(児童福祉以外も可能) 別表3 1 子育て支援事業を実施する施設の建物、設備の整備・修繕、環境の改善及び土地の取得等に要する経費(子育て支援事業に必要なものに限る。以下2において同じ。) 2 1の経費に係る借入金(利息部分を含む。)の償還又は積立のための支出。 別表4 1 社会福祉施設等の建物、設備の整備・修繕、環境の改善、土地の取得等に要する経費(社会福祉施設等を経営する事業に必要なものに限る。以下2及び3において同じ。) 2 社会福祉施設等の土地又は建物の賃借料 3 以上の経費に係る借入金(利息部分含む。)の償還又は積立のための支出 4 社会福祉施設等を経営する事業に必要な租税公課 |
あらかじめ貴職(当該保育所の設置主体が社会福祉法人又は学校法人である場合は理事会)の承認を得た上で、 当該施設の人件費、光熱水料等通常経費の不足分を補填できるほか、当該施設の運営に支障がない範囲において以下の経費に充当することができる。 ①当該保育所を設置する法人本部の運営に要する経費。 ②同一の設置者が運営する社会福祉法人(昭和26年法律第45号)第2条に定める第1種社会福祉事業及び第2種社会福祉事業並びに子育て支援事業の運営、施設設備の整備等に要する経費。 ③同一の設置者が運営する公益事業(子育て支援事業を除く)の運営、施設設備の整備等に要する経費。 |
長期的に安定した施設経営を確保するため、以下の積立資産に積み立て、次年度以降の当該保育所の経費に充てることができること。 ①人件費積立資産 ②保育所施設・設備整備積立資産(建物・施設及び機器器具等備品の整備・修繕、環境の改善に要する費用、 業務省力化機器をはじめ施設運営費・経営上効果のある物品の購入に要する費用、及び増改築に伴う土地取得に要する費用に係る積立資産) |
①企業会計における損益計算書及び保育所設置認可等について(平成12年3月30日児発第295号)に定める貸借対照表を保育所に備え付け、閲覧に供すること ※利用者や利害関係者がいつでも閲覧できる状況 また、社会福祉法における情報公開を勘案すれば、事業活動計算書のもの及び貸借対照表関連のものを閲覧に供することが望ましい |
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②毎年度、次のア又はイが実施されていること ア 第三者評価加算の認定を受け、サービス質の向上に努めること(注1) イ 『社会福祉事業の経営者による福祉サービスに関する苦情解決の仕組みの指針について』により、入所者等に対して苦情解決の仕組みが周知されており、 第三者委員会を設置して適切な対応を行っているとともに、入所者等からのサービスに係る苦情内容及び解決結果の定期的な公表を行うなど、利用者の保護に努めていること ③処遇改善等加算の賃金改善要件(キャリアパス要件を含む。)のいずれも満たしていること ※処遇改善等加算1の賃金改善要件を満たしていること。 逆に言えば要件を満たさないと処遇改善等加算1が受けれませんので通常はこれに該当しないことは無い 注1 第三者評価の受信及び結果の公表は、具体的には次の事項 1、第三者評価の受審は自己評価、利用者の意向及び第三者評価機関によるサービスの質の向上や経営の改善を図るためのものであり、 その結果が次年度の事業計画に反映されていること 2、公表については、保育サービスの利用者のみならず、一般に対しても、ホームページ及び広報紙等の活用などにより行う |
委託費の3か月分に相当する範囲内まで、経費に充てることが出来る ・委託費を同一の設置者が設置する保育所等に係る別表5に掲げる経費及び ・同一の設置者が実施する子育て支援事業に係る別表3に掲げる経費等 別表3 1 子育て支援事業を実施する施設の建物、設備の整備・修繕、環境の改善及び土地の取得等に要する経費 (子育て支援事業に必要なものに限る。以下2において同じ。) 2 1の経費に係る借入金(利息部分を含む。)の償還又は積立のための支出。 別表5 1 保育所等の建物、整備の設備・修繕、環境の改善、土地の取得等に要する経費(保育所等を経営する事業に必要なものに限る。以下2及び3に同じ。) 2 保育所等の土地又は建物の賃借料 3 以上の経費に係る借入金(利息部分含む。)の償還 4 保育所等を経営する事業に係る租税公課 ※複数拠点がある場合には、拠点区分間繰入金等の科目を用い繰り入れ先への金額を分かるようにすることが望ましい |
①の法人本部の運営に要する経費とは、その保育所設置法人の事務費であって、社会福祉法人会計でいう 【人件費支出】及び【事務費支出】に相当する経費に相当する。 会計監査人の設置に関する費用も含めて差し支えない。 また、役員報酬は役員報酬規程を整備した上で、勤務体系に即した支給しているものであること ②と③は限度額が定められていませんが、運営に支障が無い範囲であることが絶対条件 【企業会計を行っている場合の当期資金収支差額合計の見方】 企業会計の基準による会計処理をおこなっている者の支払資金は、企業会計の基準による貸借対照表の流動資産及び流動負債とし、その残高は流動資産と流動負債の差額とする。ただし、1年基準により固定資産又は固定負債から振替えられた流動資産・流動負債、引当金並びに棚卸資産(貯蔵品を除く。)を除くものとする。また、当期末支払資金残高から前期末支払資金残高を差し引いた額が、当期資金収支差額合計になること。 |
※第2段階までは人件費、修繕、備品購入、保育所施設・設備整備の計上が認められていました。第3段階では後者3つ (修繕・備品購入・保育所施設)が統合されました。 これは土地取得が含まれた他に人件費以外の積立金の目的が全て含まれている 第2段階まではそれぞれだったが、3段階ではまとめて良いという弾力が進んだ保育所施設・設備整備積立金から 土地取得に要する費用を取り崩すことが出来るのは、当該保育所の増改築に係る計画について、都道県知事から承認を受けるとともに、 関係行政機関との事前協議及び地元調整が終了しており、施設の整備が確実な場合に限る |
保育園の弾力運用について、PDFも用意しました。
見にくい場合はPDFで御覧ください。