みなさまこんにちは、浦和監査部7課の村上です。
引き続き、「会社の数字を把握して融資が受けられる会社に!」をテーマに情報をお届けします。
前回のコラムでは「経常利益」について簡単に解説しました。
今回は、融資に向けて理解しておく方がおすすめの「債務超過」についてです。
債務超過とは
債務超過とは、貸借対照表の資産の部を債務の部が上回ることを言います。
つまり、会社が持つ資産よりも、会社がもつ債務(借金)が多いということですね。
このままですと、すべての資産を現金化しても、すべての債務を返しきれません。困りました。という状態です。
債務超過の起こりと考え方
この債務超過という状態は、業績が赤字(損益計算書が赤字)になることによって発生します。
貸借対照表と損益計算書は連動していますので、
決算が黒字だった=資産の部が増加した or 債務の部が減少した
決算が赤字だった=資産の部が減少した or 債務の部が増加した
という現象を必ず起こします。
たとえば10期目の会社の決算書の貸借対照表が債務超過だったとします。
これ、どういうことかわかりますでしょうか。
「第1期から第10期まで、黒字の期も赤字の期もあったとしても、10期トータルでみたら赤字が上回った。」
それはつまり、10年かけても実質的に資産を増やせなかったということになるのです。
10年会社を経営して、蓄えた資産が実質ゼロ。
その赤字のなかには人件費も含まれているでしょうから「やらなきゃよかった」とまではならないとしても、一生懸命やった結果がこれでは寂しいものがあります。
決算が黒字ですと、かならずその利益の分、債務超過は解消されます。
逆の言い方をすると、債務超過でないということは、たとえ直近が赤字であっても過去には黒字を出していたという証明にもなるのです。
おわりに
損益計算書は事業年度が変わるとリセットされてゼロからスタートするものですが、貸借対照表は設立から永遠につながっていきます。
業績を表す損益計算書に目が行きがちですが、貸借対照表こそ、これまでの会社の業績を積み重ねてきた「成績表」に他ならないのです。
ですからみなさん、必要な時に融資を受けられる会社にしていくために、貸借対照表もしっかり確認していきましょう!
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