こんにちは、税理士法人YFPクレア 社会福祉法人チームです。
このページでは、社会福祉法人と一般的な株式会社や合同会社(ここでは一般法人と呼びます)の税負担がどのくらい違うのか、興味ありませんか?
これから福祉事業を始めてみよう!と思った方はもちろん、今すでに社会福祉法人に携わっている方、指導監査に心が折れそうな方…
実際に比較したことがある人は少ないかと思うので、ぜひ、ご参照ください!
社会福祉法人の法人税は原則非課税
社会福祉法人は公益法人に該当し、原則的には非課税です。
もし、収益事業を行った場合は、その所得にのみ課税されます。
介護事業及び福祉事業等は収益事業の中の医療保健業に該当しますが、
法人税法施行令第5条29のロの収益事業の範囲では、下記のように規定されているため法人税が非課税となります。
第5条 収益事業の範囲
二十九 医療保健業(財務省令で定める血液事業を含む。以下この号において同じ。)のうち次に掲げるもの以外のもの
ロ 社会福祉法第二十二条に規定する社会福祉法人が行う医療保健業引用:法人税法施行令第5条29のロの収益事業の範囲
※法人税が非課税の為、法人住民税及び法人事業税も非課税となります
各業種ごとの法人税・住民税及び事業税の比較
1. 保育事業
税引き前当期純利益:年間7,360,000円 ※1
10年間の税引き前当期純利益:73,600,000円
社会福祉法人 | 非課税 |
一般法人 | 21,888,640円 (法人実効税率29.74%で計算 ※4) |
2. 介護事業
税引き前当期純利益:年間7,761,000円 ※2
10年間の税引き前当期純利益:77,610,000円
(ア) 社会福祉法人の場合・・・非課税
(イ) 一般法人の場合・・・・・23,081,214円(法人実効税率29.74%で計算)
社会福祉法人 | 非課税 |
一般法人 | 23,081,214円 (法人実効税率29.74%で計算) |
3. 障害福祉事業
税引き前当期純利益:年間5,954,000円 ※3
10年間の税引き前当期純利益:59,540,000円
社会福祉法人 | 非課税 |
一般法人 | 17,707,196円 (法人実効税率29.74%で計算) |
まとめ
社会福祉法人で行う事業は法人税・住民税及び事業税が非課税となります。
税額で比較した場合、一般法人より社会福祉法人で事業を実施することで税負担が減ります。
※事業によりますが固定資産税も非課税となる場合があります。
しかし、税が減る反面、設立までの道のり(人集め・地域のニーズ・認可までの膨大な時間)、設立後の運営等(議会の開催・複雑な会計・毎年の監査)のデメリットも存在します。
弊社では社会福祉法人会計のサポートも行っており、社会福祉法人の設立や労務関係等も他の仕業の先生方と連携してサポートを行っております。
※1 TKC経営指標 保育所 全国平均 令和2年度参照
※2 TKC経営指標 通所・短期入所介護事業 全国平均 令和2年度参照
※3 TKC経営指標 その他の障害福祉事業 全国平均 令和2年度参照
※4 財務省 国・地方の法人実効税率
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