税理士法人YFPクレアの柳川です。
今回は歯科医院の現況についてお話しようと思います。

歯科医院の現況

歯科医師は国家資格ですので、誰でも開業できるわけではありません。
また、高額の医療機器を揃えなければなりません。
よって、他の業種より算入障壁が高いと言えますが、現状どうなっているのでしょうか?

件数と密度

まず、件数についてです。
コンビニより多いと言われていますが、実際はどうなのでしょうか?

厚生労働省のデータによると、個人の歯科医院数は約5万3千件、医療法人が約1万4千8百件であるのに対し、コンビニは約55,000件。
参考ページ≫厚生労働省公式HP「医療施設調査・病院報告」

やはりコンビニより多いです。

では、密度はどうなのでしょうか?都市部に集中しているのでしょうか?

2022年の人口10万人当たりの歯科医院件数のランキングでは、第1位が徳島県で58.37件です。
第2位が東京都で57.52件、その後、福岡、和歌山、山梨と続いていきます。

東京は多いですが、都市部だけに集中しているわけでもないようです。

弊社四谷オフィスは、メトロ四谷三丁目駅から徒歩3分と至近距離にあるのですが、その間だけでも2件あります。
「四谷三丁目 歯医者」でググってみたところ(歯科医院でググると特定のクリニックが出てくるため)、四谷三丁目最寄りの歯科医院さんは16件も出てきて驚きました。

弊社の周囲は実は激戦区だったのですね。

医院数・患者数の増減

増減はどうなのでしょうか?増え続けているのでしょうか?

実態は15年前と比べて4000件も減少しています。
特に、近年の減少幅が大きく、2021年と2022年は1年で1000件近くも減少しています。
コロナ感染が危ぶまれていて、受診を控える患者さんが多かった時期ですね。

ただ、構造的な問題として、院長先生の高齢化による要因も大きいようです。
現在、60歳以上の院長先生が45%を占めています。
そして、その約半数が将来の継承の予定がないというアンケート結果が出ているようです。

患者数はどうでしょうか?
こちらも2017年以降減少傾向です。特に保険の効く虫歯による来院が減少しています。
一方、予防・審美・矯正や高齢者向けの訪問歯科はニーズが高まっているようです。

おわりに

歯科医院業界の現状は、簡潔にまとめると以下のようなところでしょうか。

まとめ

激戦区だけどライバルは縮小中。
個人は廃業が増えているが、法人化したクリニックは売上が堅調。
市場規模は保険診療は縮小しつつあるものの自由診療は伸びている。
人口減少の影響は受けているが、高齢者向けの訪問診療ニーズは高まっている。

それでは、次回はクリニック開業からのお話を書こうと思います。
お読みいただきありがとうございました。

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