みなさまこんにちは、浦和監査部7課の村上です。
引き続き、「会社の数字を把握して融資が受けられる会社に!」をテーマに情報をお届けします。
前回のコラムでは「5つの利益」について簡単に解説しました。
もっと詳しく知りたいとのお声もありましたので、さらに掘り下げて解説していきたいと思います。
今回は、融資において特に重要となる「経常利益」についてです。
経営利益の赤字が続くと融資に不利?
この「経常利益」は、一般的に2期連続での赤字は融資に不利であるといわれています。
なぜなのか。
- 「経常」が2期連続だと、それ以降も赤字になのでは?
【損益計算書における不安】 - 赤字になる➡現預金が減る➡負債が増える
【貸借対照表における不安】
損益計算書と貸借対照表は一体であり、①の事象が起こると必ず②につながるというものです。
そうすると、「利益を出せない」➡「やらない方がいい」という判断になるわけです。
- 「100万円の資産を買った」は費用ではなく、資産(のちに減価償却)
- 「借入の返済をした」は費用ではなく、負債の減少
- 「固定資産を除却した」は特別損失で、経常利益には反映されない
など「通常の業績」に反映すべきものでない取引については、会計のルールがちゃんと「経常利益」から外していく仕組みになっているのです。
ですから、【「経常利益」は最も営業活動の実態をストレートに表す利益】と言ってよいでしょう。
赤字の中にも、一時的な赤字もあれば、将来に対する投資による赤字だってあります。
赤字決算になってしまった場合は、赤字の原因の確認、黒字化への展望など、金融機関への説明が必要となります。
まとめ
経常利益が2期連続で赤字になると、「今後も赤字が続くのでは」と金融機関に不安視され、融資が不利になることが多いです。
経常利益は営業活動の実態を表す重要な指標であり、財務状況にも大きく影響します。
一時的な赤字や投資による赤字であれば、その原因や黒字化の計画を説明することが大切です。
まずは正確な業績把握を行い、安定した黒字基盤を目指しましょう。
つまり「赤字にならない体制づくり」が重要で、この基本となるのが期中の正確な業績把握です。
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