トラック運送業の賃金制度改定

トラック運送業のコストの多くは人件費です。

これをきちんと払うことが出来なければ、スタッフもドライバーもついてきてはくれず、経営存続も難しくなってしまうのが現状です。
しかしながら、トラック運送業の企業の多くは、ドライバーの方への賃金に関して様々な問題や悩みを抱えている、というのもまた現状です。

さらに、昨年「同一労働同一賃金」という制度が施行されたことで、悩みの種がふえてしまった経営者さまもいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、

「説明のつかない賃金格差でドライバーの不満が心配……」
「残業代に未払いのものがあり、いつ請求されてもおかしくない……」
「賃金が高止まりしているドライバーもいて収益が圧迫されている」

といったお悩みのあるトラック運送業の経営者さま必見の内容です!

争いを引き起こしやすいトラック運送業の賃金制度

では、そもそも現在のトラック運送業の賃金制度はどのようになっているのでしょうか。
そして、どこが改定されたのでしょうか。

トラック運送業の賃金体系のパターン

トラック運送業の、特にドライバーの賃金体系や雇用形態は、かなり特殊です。
そのため、訴訟や組合も巻き込んだ団体交渉等、争いの火種になりやすいのです。

現在多く使われている賃金体系についてみていきましょう。

固定給のみ

賃金の構成が、月給制(日給月給制)、日給制、時給制のいずれかのみであり、歩合制がないもの。

地場輸送や作業輸送等の「1労働日完結型」のドライバーに適用されることが多く、時給制では非正規雇用のドライバーや宅配ドライバーに多くみられます。

歩合給のみ

賃金の構成が歩合給100%で、固定給のないもの。

長距離ドライバーに適用されることが多い賃金体系です。

固定給+歩合給

賃金の構成が、月給制や日給制に加えて歩合制もあるもの。

最も一般的に採用されている賃金体系です。

しかし、建前上では「固定給+歩合給」であっても、固定給の部分がごくわずかで、実質的に歩合給のみになってしまっているような場合も少なくないようです。

このようになっています。

また、固定給と歩合給では時間外労働の割増賃金の計算方法が大きく違ったり、職種や車種によっても差があったりと、不公平だと感じられてしまう要因は多くあります。
こういった点でも、争いの火種になってしまう部分を多く含んでいると言えるでしょう。

「同一労働同一賃金」?

これは、「仕事内容や責任が正社員と同じならば、雇用形態に関わらず賃金も同じにする」という法改正です。
「働き方改革」の一部として掲げられています。

これまでは「パートさんだから」ということが出来ていたものも、そういった理由で待遇に差を設けることは認められません。
正規雇用者と非正規雇用者とで待遇が違うことが一般的でしたが、これからは同じ仕事であれば同じ待遇にする、ということが必須となるのです。

問題が起きる前に

こういった賃金体系については、「まだ問題が起きていないから」と後回しにしておくことも出来てしまう問題です。

ですが、後回しに出来てしまうこともまた問題なのです。

前述の通り、ドライバーに不満があるようなギリギリの状態のままでいれば、いつかその不満が爆発し、高額の請求を何人ものドライバーから受けてしまう…という未来もあり得ます。

賃金体系の見直しや、法改正に伴った変更は、問題が起きる前にやっておくべき急務といってもいいでしょう。

賃金体系で争いを起さないために、YFPクレアができること

こういった問題が起こらないようにするためにも、雇用形態や賃金体系の見直しや変更、修正等は必須です。
しかし、ただ変えるだけでもいけません。それを契約書等に明記し、従業員の方々に周知しなくてはならないのです。

税理士法人YFPクレアでは、税務顧問を多く承っている実績や経験から、賃金形態等の側面から、税務のことも見据えてアドバイスを行うことも可能です。
トラック運送業の税務や会計業務には特殊な点が多く存在します。
税務顧問や経理のアウトソーシング等からまるっとお任せいただくことも出来ます。

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